リジッドフレキ基板は、硬い基板と柔軟な回路を一体化した構造です。複数のフレキシブル層を、用途に合わせてリジッド部の内部や外側に組み込みます。曲げ部は組立時に形を決める場合と、使用中に繰り返し曲げる場合があり、それぞれの用途に適した構造にする必要があります。
通常のリジッド基板とは異なり、立体的な配置を考えながら設計します。曲げる位置と形状を計画すれば、筐体の内部空間に合わせて複数の基板部分を配置し、限られたスペースを有効に使えます。
リジッドフレキ基板の用途#
スマートフォンやデジタルカメラなどの電子機器をはじめ、省スペース・軽量化が重要なペースメーカーなどの医療機器にも使われます。産業用の制御システムでも活用される技術です。
民生機器では、基板間のコネクタや配線、それに伴う接続箇所を減らすことで、空間の有効利用と接続信頼性の改善が期待できます。試験装置、ハンドツール、自動車関連機器などにも応用できます。
製造工程で考えておきたいこと#
試作から量産まで、リジッドフレキ基板には確立された製造技術がありますが、構造は複雑です。フレキシブル部分は、重量とスペースの制約を解決しながら、機械設計の自由度を高める役割を担います。
設計の早い段階で製造先と相談すると、実際の製造条件や製品の形状違いを設計に反映できます。通常のリジッド基板より工程が複雑で時間もかかり、フレキシブル部分に適した取扱い、エッチング、実装条件の検討が必要です。
採用によって期待できる利点#
- 立体的な配置を活用し、必要なスペースを抑えられます。
- リジッド部分の間のコネクタや電線を減らし、寸法と重量を抑えられます。
- 空間と接続方法を見直すことで、部品点数を減らせる場合があります。
- はんだ接続箇所の削減が、電気接続の信頼性向上につながります。
- フレキシブル基板だけの構成に比べ、実装時に扱いやすくなる場合があります。
- 基板の組立工程を簡素化できます。
- ZIF接点を組み込めば、モジュール間の接続にも対応できます。
- 機器へ組み込む前に、全体をまとめて検査しやすくなります。
- 部材管理や組立の費用を削減できる場合があります。
- 複雑な機械配置にも対応しやすくなり、筐体設計の選択肢が広がります。
まとめ#
リジッドフレキ基板は、柔軟な接続部と安定した部品実装部を組み合わせ、省スペース化、軽量化、接続箇所の削減を目指せる構造です。民生機器から医療機器まで、用途に応じた設計ができます。一方で製造は複雑になるため、早期に経験のある製造先と条件をすり合わせることが重要です。検査や組立の簡素化、物流・組立費用の削減と、基板自体の費用を合わせて評価してください。
層構成と信頼性のチェックポイント#
リジッドフレキ基板は、硬い多層部と柔軟な接続部を恒久的に一体化したものです。コネクタやケーブルを置き換えられますが、曲げ特性、異種材料の境界、積層工程を一つの構造として設計する必要があります。
- 各フレキシブル部が固定状態、取付時だけの曲げ、動的な繰返し曲げのどれに該当するか定義します。
- 曲げ領域にはビア、部品パッド、急激な銅形状変化を置かないようにします。
- 繰返し曲げがある部分では、曲線配線や導体位置をずらす構造を検討します。
- カバーレイ、接着剤、補強板、リジッド部との境界形状を管理します。
- 材料や厚さが変わる部分のインピーダンスとリターンパスを確認します。
- 代表的な製品構造で、曲げ寿命と実装時の取扱いを検証します。
よくあるご質問#
補強板付きフレキシブル基板と同じですか?
異なります。リジッドフレキは硬い層と柔軟な層を一体の積層基板に組み込みます。補強板付きフレキシブル基板は、基本的にはフレキシブル基板に局所的な補強を加えた構造です。
曲げる部分に部品を配置できますか?
通常は避けます。曲げによってパッドやはんだ接合部にひずみが生じるためです。特殊なフレキシブル実装では、用途を限定した検証が必要です。
組立費用は下がりますか?
コネクタや手作業のケーブル取付けを減らせますが、ベア基板の費用は高くなります。システム全体の費用と信頼性で比較してください。