基板のフィデューシャルマークとは#
フィデューシャルマークは、基板実装の自動装置が位置を認識するための基準点です。部品を正確に配置するうえで重要な役割を果たします。
一般には、周囲にクリアランスを設けた円形パッドとして形成し、画像認識システムで検出して位置合わせに使います。実装工程で求められる位置精度に応じて、主にグローバルマークとローカルマークを使い分けます。
それぞれのマークの役割を見ていきましょう。
グローバルマーク:基板全体の位置合わせ#
グローバルマークの配置は基板製造・実装で重要です。パネルフィデューシャルとも呼ばれ、通常は基板の隅や面付けパネルの捨て基板部に設けます。配置は、実装装置と基板の位置関係を正しく認識できるように決めます。適切な位置に設けることで、装置が基板を安定して扱い、効率と位置精度を確保しやすくなります。
マークは任意に置くのではなく、実装時に複数の基板の位置合わせを最適化するために配置します。この位置合わせが正しい部品配置と接続の前提です。適切なマーク設計は実装精度を高め、位置ずれを減らし、完成品の性能を支えます。さまざまな部品を正しく組み合わせ、効率よく機能する電子製品につなげるための基準となります。
ローカルマーク:高密度領域の位置精度を確保
ローカルマークは、グローバルマークよりも局所的な位置合わせを目的とし、基板の部品密集部や複雑な配線領域に配置します。限られたスペースにも収められるよう小さく設計されることがあり、高精度が必要な部品の近くや細かな配線構造の周辺など、認識対象に応じて配置を検討します。
主な目的は、高密度で複雑な領域でも部品を正確な位置に実装することです。装置が部品の配置位置を認識するための、信頼できる局所基準になります。特にBGAやQFNは、位置ずれが実装不良や製品性能への影響につながるため、精度が重要です。小さな設計要素でも、ローカルマークは実装の歩留まりと生産効率を支えます。
フィデューシャルマークの目的#
グローバル、ローカルのいずれも、複雑な基板上で位置を特定するための目印です。ほかのパターン、穴、部品と区別できる形状にすることで、装置が認識しやすくなります。基板製造・実装の自動装置はこれらのマークを読み取り、対象領域と正確な位置を把握します。地図の現在位置表示のように、装置に基板上の座標基準を与えるものです。
形状と寸法をそろえることで、画像認識を安定させ、誤認識の余地を減らせます。基板設計ごとにマークの寸法と配置方法を一貫させることは、装置が解釈しやすい共通の基準づくりにつながります。その結果、設計の複雑さや部品密度にかかわらず、実装時の位置合わせと部品配置を安定させやすくなります。
フィデューシャルマークは、形状、寸法、配置を整えることで、自動装置の実装位置を導きます。精度の確保と、基板製造工程全体の効率向上に役立つ基準です。
マーク設計の基本的な注意点#
基板にフィデューシャルマークを設ける際は、位置合わせに使うマークの直径を統一し、両面実装では必要な両面に配置します。また、認識を妨げないよう、マーク上にソルダーレジストやコーティングがかからないようにしてください。
これらの注意点を守り、各マークの役割を理解することが、実装精度と作業効率を高め、良好な完成品品質を得ることにつながります。
2026年版の確認事項#
本ガイドは2026年に技術説明と製造上の確認事項を見直しました。掲載寸法や工程範囲は、製造先の最新能力と製品の合否基準に結び付いている場合を除き、計画時の参考として扱ってください。
製造前にマークの重要要求を版管理した設計資料へ記載し、基板メーカーと確認してください。実装後は、実際に想定する電気的・熱的・機械的負荷と環境条件に基づいて製品を検証します。