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PCBビアとは?種類・穴埋め・設計上の確認点

はじめに#

基板設計、特に多層プリント基板の製造では、ビアは欠かせない用語です。ラテン語で「道」を意味するviaに由来し、基板のある層から別の層へ電気信号を伝える経路として重要な役割を果たします。 

初めて基板を設計する人にとっては、ビアが具体的にどのような構造で、多層基板でどう使うものなのか分かりにくいかもしれません。

本記事では、ビアの構造と役割、主な種類を整理し、設計時に理解しておきたい点を説明します。

 

ビアとは?#

ビアは、選択した銅層の間に設けた穴を導電化した接続構造です。通常は機械ドリルやレーザーで穴を加工し、その後に金属化します。対象とする層範囲によって届く層が決まり、ランドとクリアランスによって実際に接続する導体が決まります。ビアは、別々の層の間で信号や電源をつなぎます。

ビアは接続する層範囲によって、一般にブラインドビア、ベリードビア、貫通ビアの3種類に分けられます。

ビアの種類

ブラインドビア

ブラインドビアは基板の上面または下面から始まり、反対側まで貫通せず、1層以上の内層へ接続する穴です。基板全体を貫通しないため、外から見える開口部は片面だけにあります。

ブラインドビアの利点は、すべての層を通らないため、ほかの層に配線スペースを残せることです。省スペースが重要な小型基板で特に役立ちます。BGAやHDI(高密度相互接続)基板などの高密度実装でよく使われ、コンパクトで効率的なレイアウトを実現する手段になります。

ベリードビア

ベリードビアは、基板の上面にも下面にも達せず、少なくとも2つの内層を接続するビアです。接続構造が基板内部に埋め込まれているため、完成した基板を外側から見ても開口部は見えません。

ベリードビアは表面を占有せずに内層をつなぐため、高密度基板の配線スペースを確保できます。ただし、信号品質が自動的によくなるわけではありません。リターン経路、インピーダンスの不連続、結合、ビア全体の形状を検討する必要があります。表面ランドを増やさず内層接続を設けたいHDI設計で特に有用です。 

このように、スペースの節約と必要な性能の両立が求められる高密度基板で、ベリードビアは有効な選択肢となります。

貫通ビア

貫通ビアは最も一般的に使われるビアで、基板の表面から裏面まで穴が通っています。内層と外層の接続に使われ、途中の層で止まるブラインドビアや基板内部に埋まるベリードビアとは異なります。

貫通ビアの主な役割は、基板内の層間接続です。必要な層の間で、電気信号や電源を通す経路になります。 

貫通ビアは電気的な接続部であり、一般的な取り付け穴ではありません。部品リード用のめっきスルーホールは、リード寸法と実装条件に合わせて設計し、機械的な固定穴にも専用の仕様を設けます。いずれも基板を貫通するからといって、同じものとして扱わないでください。

ビアの開口・保護処理#

主な選択肢には、開口ビア、テンティング、穴埋めがあります。樹脂を充填して銅でキャップする構造も別の選択肢です。各処理を同じものと考えず、必要な構造を明確に指定してください。

テンティング

テンティングはビアの開口部をソルダーレジストで覆う処理で、穴の内部を充填する処理とは異なります。外側の導体を保護できますが、覆える範囲は穴径、材料、工程によって変わります。

対応可能な穴径と被覆状態の検査方法をメーカーに確認してください。テンティングを指定しても、小さな開口が残る、完全に閉じないといった場合があります。要件を合意せずに、気密性や確実な絶縁障壁が得られると考えないでください。 

片面だけの閉鎖や不完全な閉鎖では、工程の薬液や残渣を閉じ込める可能性があります。どちらの面を覆うかと、その工程の合否基準を合意しましょう。レジストを厚くするだけで、被覆や清浄度の問題をすべて解決できるわけではありません。

開口ビア

開口ビアでは、ビア穴とその周囲の環状ランドをソルダーレジストで覆わずに露出させます。通常は絶縁に使うレジスト層がないため、開口部と導体面が外へ出た状態になります。

プローブを当てる位置と電気的クリアランスを設計しておけば、測定やデバッグに使える場合があります。ただし、レジストを除去することは熱設計の代わりにはなりません。熱的な役割を決めるのは銅との接続、ビア形状、伝熱経路です。 

露出した金属は、意図しない接触やはんだの流入の原因にもなります。ビアを開口させるか決める際は、近くのランド、導電性の筐体部品、汚れ、実装工程を考慮してください。

ソルダーレジストによる穴埋め

穴埋めは、単に開口部を覆うのではなく、穴の中へ材料を入れる処理です。材料と工程によって、部分的な閉鎖か全体の閉鎖かが変わります。樹脂を完全に充填し、平坦化して銅でキャップするビアとは区別する必要があります。

規定した穴埋め工程により、実装時のはんだ流入や残渣のリスクを管理できる場合があります。ただし、フラックスを自動的に除去したり、ボイドのない密閉を保証したりする処理ではありません。洗浄、閉鎖状態、材料の適合性、検査要件を基板メーカーと実装業者で合意してください。 

BGAやICがあるだけで、レジスト穴埋めが必須になるわけではありません。ビアインパッドでは、はんだ付け可能な適切なランド面と、穴へのはんだ流出を抑える処理が必要で、樹脂充填と銅キャップが適する場合があります。必要な工程をメーカーに確認してください。Eurocircuitsのビア被覆処理の解説でも、これらの構造を区別しています。

ブラインドビアは外層と内層、ベリードビアは外面に出ずに内層同士を接続します。対応可否は実際の積層、接続層、製造工程によって決まり、一律に4層以上という条件で決まるものではありません。配線密度を高められる一方、積層や加工工程が増えることがあります。貫通ビアは通常、より簡単で経済的に製造できます。設計確定前に必要な構造をPCBPitへ相談してください。

製造前に、ビアに関する重要な要件を管理された設計データへ記載し、基板メーカーと確認してください。完成品は、実際の電気的・熱的・機械的・環境的な負荷で検証します。